「Think Different」は思想,であって,行動,ではない,というかのようなアップルの行動は,もう途中で止めることができない,泥沼的な様相になる危険もある。
アップル社はマックワールド・エキスポで,デジタル・メディア向けのソフトウェア・スイート「iLife」,新しいブラウザ「サファリ」,17インチと12インチのディスプレーを搭載したパワーブックG4などを発表した。
アップルがウェブブラウザを作っている,という噂はかなり前からあった。当欄にも昨年の6月にある(過去記事)。昨年,IEをバンドルすることの契約が切れ,MSとの仲が悪いようにみせかけないように気を使いながら,はっきりとMSとの決別姿勢を強めていた。
今回の,パワーポイントと競合する「キーノート」の発表,基調講演でも散々喧伝されたウインドウズからのスイッチ・キャンペーン,わざわざMSオフィスを引き合いに出すiLife…。すべて仮想敵なんかぢゃなく,実際の敵としてのMSを浮かび上がらせる。その行動はわかりやすい。が,つまらないものを気にしているとアップル自体がつまらないものになる。サファリはシンプルでよい製品だが,ちょっと距離を置いて使い始めたい。
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